IT業界における生成AIの活用事例5選!導入効果や注意点、おすすめのツールを紹介
株式会社C And 代表取締役
IT業界では、生成AIの導入により業務効率の向上や新たなビジネスモデルの創出が期待されています。
本記事では、IT業界における導入効果や具体的な活用事例について解説します。
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目次
生成AIとAIの違いは?
生成AIは、従来のAIとは異なり、単なるデータ処理や分析にとどまらず、新しいコンテンツを自動生成できる点が大きな特徴です。これにより、クリエイティブな分野での応用が広がっています。
例えば、文章、画像、音楽など、様々な形式のコンテンツを生成することが可能です。詳細な違いについては以下の記事をご参照ください。
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IT企業での生成AI活用事例5選
IT業界では、大手企業を中心にすでに生成AIを導入している企業が複数あります。ここではIT業界での生成AI活用方法を、具体例を挙げながらご紹介します。
リクルート

リクルートが提供する「AI壁打ちくん」は、アイデアや課題を整理したり、議論のきっかけを作ったりするために開発されたAIアシスタントです。まるで同僚やコンサルタントと対話するかのような感覚で、プロジェクトの進行や意思決定を支援してくれます。
「AI壁打ちくん」の最大の特長は、ユーザーが投げかけた問いや課題に対して多角的な視点で提案やフィードバックを返してくれることです。
たとえば、新しい事業アイデアを思いついた際に、そのコンセプトをAIに伝えるだけで、対象ユーザーや市場トレンドに基づいたアドバイスやリスクの指摘が得られます。また、企画書の下書きを生成したり、プレゼンテーション資料のアイデアを出したりするなど、日々の業務でも活用可能です。
さらに、「AI壁打ちくん」は生成AIの特性を活かして柔軟かつ創造的な応答を提供します。単なるQ&Aではなく、ユーザーの意図を汲み取りながら、具体的な提案や改善案を繰り出すため、アイデアをより洗練された形に仕上げるサポート役として重宝されています。
参照:「新規事業、思いついたらいつでもサポート! リクルート「AIかべうち君」開発秘話」
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LINEヤフー

LINEヤフーは、生成AIの活用を積極的に推進し、消費者向けサービスを中心に16件の生成AI機能を導入しています。
例えば、「PayPayグルメ」ではChatGPTプラグインを導入し、ユーザーに対してより自然な対話形式での情報提供を実現しています。
また、従業員約2万人に対して独自のAIアシスタント「LY ChatAI」を提供し、業務効率化を図っています。
さらに、エンジニア向けには、「GitHub Copilot」を導入し、約10%から30%の生産性向上を実現しています。 GitHub Copilotは、コードの自動補完や提案を行うツールで、エンジニアの日常業務において定型的なコードの記述を効率化し、開発スピードを向上させています。
参照:「LINEヤフー、個人向けサービスを中心に16件で生成AIを活用 従業員約2万人に生成AIアシスタントを提供」
楽天グループ

楽天グループ株式会社は、メッセージングアプリ「Rakuten Viber」において、OpenAI社の生成AI技術を活用した新機能「AIチャットサマリー」の提供を開始しました。この機能は、グループチャットの未読メッセージを瞬時に要約し、ユーザーが効率的に内容を把握できるよう支援します。
具体的には、未読メッセージが7件から100件の範囲で要約を行い、箇条書き形式で重要なポイントを提示する仕組みです。これにより、大量のメッセージを遡る手間を省き、重要な情報をすばやく確認することが可能となります。
参照:「Rakuten Viber」、生成AIを活用してグループチャットの未読メッセージを要約する新機能「AIチャットサマリー」の提供を開始
メルカリ

メルカリは、出品時に写真を撮影しカテゴリーを選択するだけで、商品説明や価格などの情報が自動入力される新機能「AI出品サポート」の提供を開始しました。 この機能により、最短3タップで出品が完了し、ユーザーの負担が大幅に軽減されます。
「AI出品サポート」は、商品写真とカテゴリー情報を基に、AIが自動的に商品説明、状態、販売価格などを入力します。ユーザーはこれらの情報を確認・編集することが可能で、出品作業がよりスムーズになります。この機能は、初心者から頻繁に出品を行うユーザーまで、幅広く利用できます。
メルカリは、ユーザーからの「出品時の商品情報の入力に負担を感じる」といった声を受け、出品体験の向上を目指して「AI出品サポート」を導入しました。これにより、商品説明や価格設定を考える手間が省け、より手軽に出品が可能となります。
参照:メルカリ、「AI出品サポート」の提供を開始。出品体験をさらに簡単にアップデート
マネーフォワード

株式会社マネーフォワードは、「マネーフォワード クラウド会計」および「マネーフォワード クラウド確定申告」とChatGPTを連携させた新サービス「マネーフォワード クラウド 会計 for GPT」を発表しました。このサービスでは、会計データを基にした財務・経営レポートの自動生成や、改善提案を行います。
このサービスは、ChatGPTの「GPT Store」上で提供され、対象は「マネーフォワード クラウド」シリーズとChatGPTを利用しているユーザーです。ユーザーは簡単な指示を入力するだけで、経営に役立つレポートを生成でき、企業の財務分析や経営判断を効率化できます。
参照:『マネーフォワード クラウド』、「マネーフォワード クラウド 会計 for GPT」を提供
IT業界における生成AIの導入効果は?
ここでは、IT業界で生成AIを導入することで得られる3つの効果をまとめています。
・サービスのパーソナライズ化
・コスト削減
開発プロセスの効率化
IT業界では、ソフトウェア開発プロセスが常に迅速かつ高品質であることが求められます。生成AIは、プログラマーをサポートする画期的なツールとしてこのニーズに応えています。例えば以下のようなケースで効果を発揮します。
- コードのたたき台作成:煩雑なコードのたたき台を短時間で作成することが可能
- コードレビュー・デバッグ作業の自動化:バグの特定や修正提案を行うことで、開発スピードと品質の向上が同時に実現
- テストコードの自動作成:単体テストや結合テストのシナリオを自動生成し、品質保証のプロセスを短縮
サービスのパーソナライズ化
IT業界において、顧客体験のパーソナライズは競争力を維持するための重要なポイントです。生成AIは、膨大なユーザーデータを基に、個別化されたサービスを実現するための強力なツールとなります。
例えば、カスタマーサポート分野では、自然言語処理(NLP)を活用したAIチャットボットが、ユーザーごとに異なる質問や問題に的確に対応し、迅速な解決を提供します。
また、ECサイトやSaaS企業では、生成AIを活用して個人に最適化されたレコメンデーションを行い、ユーザーエンゲージメントを向上させています。
コスト削減
生成AIの導入は、開発リソースの最適化や業務の自動化によるコスト圧縮により、企業全体のコスト削減を促進します。
例えば、開発者が行うルーティン作業を生成AIが肩代わりすることで、チームの生産性が向上し、少人数でのプロジェクト運営が可能になり、人件費の削減が実現します。
さらに、生成AIを使った自動コンテンツ生成は、外部委託の必要性を低減し、長期的なコスト削減効果をもたらします。こうした効率化によって浮いたリソースを、新規事業開発や事業拡大に再投資できる点も大きなメリットです。
IT業界で生成AIを使用する際の注意点
一方で、生成AIの導入の際には注意すべき点もあります。
誤った情報の生成リスク
IT企業で生成AIを活用する場合、AIが生成したコードや仕様書、分析結果などに誤りが含まれるリスクがあります。
たとえば、生成AIが提案したコードが動作はするものの、セキュリティ面で脆弱性を抱えている場合、それを見逃すとシステム全体に影響を及ぼす可能性があります。また、不正確なデータ分析結果がプロジェクトの方向性を誤らせることも考えられます。
これを防ぐには、生成された出力を必ずエンジニアや専門スタッフがレビューし、内容の正確性や妥当性を確認するプロセスを整備することが重要です。生成AIの結果を鵜呑みにせず、人間の専門知識を組み合わせて活用することが成功の鍵です。
情報漏洩のリスク
生成AIの多くは外部のAPIやクラウドサービスを使用するため、入力したデータが外部サーバーに送信されることで、機密情報や個人情報が漏洩するリスクがあります。特に、顧客データや内部情報を扱うIT業界では、このリスクへの対応が不可欠です。
このリスクを軽減するには、使用するAIサービスのデータセキュリティポリシーを確認し、機密情報の入力を最小限にする運用ルールを設定することが重要です。また、従業員への教育を徹底し、意図せぬ情報漏洩を防ぐ体制を整備することも求められます。
IT業界でおすすめの生成AIツール7選
IT業界において生成AIを効果的に活用するためには、業務やプロジェクトの目的に合ったツールを選定することが重要です。
以下では、目的に応じた生成AIツールをご紹介します。それぞれのツールの特徴を理解し、自社の業務プロセスに適したツールを取り入れることで、生産性の向上が期待できます。
コード生成ツール
Claude Code:AI外注エンジニア

Claude Codeのおすすめポイント
- Agent Codingツールだから開発プロセスを自律的に実行
- ターミナル、VS Code、Desktopアプリ、JetBrainsなどあらゆる環境に対応
- CLAUDE.mdでプロジェクトごとに独自のルールを付与できる
Claude CodeはAgent機能を搭載しているため、従来のAIと異なりたたき台の作成~バグの修正~テストまで自律的に実行可能です。例えるなら、AI外注エンジニアのような働きをしてくれます。
従来のAIと異なる点として、「コードの編集」にとどまらず「ファイルの作成やコマンド実行」までできる点があります。これは、ターミナルから直接操作をするため実現可能になりました。
CLAUDE.mdを用いて独自のルールを付与することも可能です。コーディングのお供に最適な選択肢の1つといえます。
AIエージェントとは?
GitHub Copilot:AIサポーター

GitHub Copilotのおすすめポイント
- リアルタイムでコードを提案!タイピングの手間が省ける
- 主要なIDEとの統合・AIモデルが選択可能
- 伴走型で支援してくれる
GitHub Copilotは、VS Codeなどのエディタに統合されたAIコーディング支援ツールです。
開発者が入力するコードやコメントから「次の一行」を予測するリアルタイム補完に加え、現在は自律的にタスクをこなす「エージェント機能」を備えています。
- 対話型開発: 「Copilot Chat」を通じて、コードの解説やリファクタリング、バグの特定をAIと相談しながら進められます。
- 自律的なタスク遂行: 自然言語で指示を出すだけで、AIが自ら計画を立て、複数ファイルにまたがる修正やテストの実行までを自動で行います。
- 開発プロセスの効率化: GitHubと密接に連携し、コミットメッセージの生成やプルリクエストの要約など、コードを書く前後の事務作業も強力にサポートします。
Cursor:最強コードエディター

Cursorのおすすめポイント
- AIネイティブな設計でコードの書き換え(Diff)が直感的
- 「Composer」機能で複数ファイルにまたがる機能を一括構築
- プロジェクト全体を深く理解し、依存関係を考慮した提案が可能
Cursorは、VS Codeをベースに構築されたAI特化型のコードエディタです。単なるプラグインではなくエディタそのものにAIが組み込まれているため、AIによるコードの書き換えが非常に高速かつ視覚的に分かりやすいのが強みです。
独自の「Composer」機能は、チャット形式で指示を出すだけで、複数のファイルを横断して新機能を作り上げます。VS Codeの設定をそのまま引き継げるため、今すぐ「AIと共創する開発環境」を手に入れたい方に最適です。
リサーチツール
Genspark AI ワークスペース

Gensparkのおすすめポイント
- 複数モデル(GPT/Claude等)の並列検索で情報の精度が極めて高い
- 「Sparkpage」により、バラバラな情報を1枚のWebページに自動集約
- 調査結果をそのままスライドやシート、Webサイトとして即座に出力
Gensparkは、質問を投げると、AIが自動で検索して、リサーチしてくれるサービスです。この仕組みにより、複雑な質問や多面的な情報収集がスムーズに行えます。
特徴的な機能としては、AIが自動でリサーチ結果のレポート「Sparkpage」を作成してくれます。レポートの内容をチャットボットで質問してAIが回答してくれる機能もあり、さらに理解を深めることも可能です。
さらに、Gensparkはファクトチェック機能を備えており、情報の信頼性を自動的に評価します。
Perplexity

Perplexityのおすすめポイント
- 「Model Council」機能により、複数の最強AIが議論して正解を導出
- 「Deep Research」が100以上のソースを元に専門家級のレポートを自動生成
- 出典(ソース)の明示により、ハルシネーション(嘘)を徹底排除
Perplexityの最大の特徴は、新機能「Model Council(モデル評議会)」です。質問に対してClaude 3.7やGPT-5といった複数のトップモデルが裏側で「合議」を行い、最も正確で偏りのない回答を提示します。さらに、「Deep Research」機能を使えば、数十分かかる市場調査や技術分析を、数十のサイトを巡回して構造化されたレポートにまとめ上げます。
また、作成したリサーチ結果をWeb記事形式で公開できる「Pages」や、チームで知見を共有できる「Spaces」など、個人利用からビジネスチームのナレッジ共有まで幅広くカバーしています。
テキスト生成ツール
Gemini

Geminiのおすすめポイント
- 100万〜200万トークンの超広大なコンテキスト
- Google Workspace(Gmail/ドキュメント等)とのシームレスな直接連携
- 動画・音声・コード・画像を一度に処理する強力なマルチモーダル性能
Geminiは、Googleが開発した最先端のマルチモーダルAIです。最大の特徴は、「膨大な資料を丸ごと飲み込む能力」です。数千行のソースコードや数百ページのPDF、あるいは1時間を超える動画ファイルを一度に読み込ませ、その中から特定の情報を瞬時に探し出したり、全体を要約したりすることができます。
IT業界のプロフェッショナルにとっては、「過去の膨大なドキュメントや仕様書をGeminiに読み込ませ、知りたい情報をチャットで聞く」といった、ナレッジマネジメントの自動化において無類の強さを発揮します。また、Google Workspace内で直接AIを呼び出せるため、調査した内容をそのままドキュメント化したり、メールの下書きにしたりといったワークフローが数秒で完結します。
まとめ
生成AIは、IT業界における業務効率化や生産性向上において、欠かせない存在となりつつあります。
しかし、生成AIを効果的に活用するためには、技術やツールの特性を正しく理解し、自社の業務ニーズや課題に合ったツールを選定することが重要です。さらに、運用リスクを認識し、適切なガバナンスや人間の介入を組み合わせることで、生成AIのポテンシャルを最大限に引き出すことが可能になります。
これからのIT業界において、生成AIは単なる技術革新の一部ではなく、競争優位性を生み出す戦略的な資産となるでしょう。適切な導入と運用を通じて、生成AIを最大限活用し、より効率的で創造的な業務プロセスを構築することが、今後の成功を左右する鍵となります。
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木俣太地
また、前職の株式会社MIXIで培ったブランドプロモーションスキルを活かし、話題化戦略を意識した制作した生成AI活用のアニメCMは、Xにて680万インプレッションを記録。幅広い形で生成AIを活用して、企業の課題解決に貢献。





