【2026年最新】教育業界の生成AI活用事例6選!生成AI活用のメリットや注意点も解説

業界×生成AI 生成AI導入事例

株式会社C And 代表取締役

監修 木俣太地

教育業界において近年、生成AIを活用している事例が非常に多くなっています。特に自動採点や質問対応チャットでは、大きな効果を示しています。

本記事では、教育業界における生成AIの活用場面や活用事例などについて解説します。

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教育業界での生成AI活用場面5選

生成AIは、教育業界の以下のような場面で活用されています。

生徒の質問に24時間対応

生成AIを活用することで時間や場所に縛られず、生徒からの質問に24時間体制で対応できるようになります。

これにより、自宅での自学自習がスムーズに進むだけでなく、学習時間を最大限に効率化することが可能です。さらに、教師側にとっても基礎的な質問への対応時間が大幅に短縮されるため、業務負担が軽減され、より高度な個別指導や教材研究に専念できるという、生徒・教師双方にとって極めて高い導入メリットがあります。

英会話練習のサポート

生成AIは、言語学習にも活用する事ができます。

文法やリスニングなどはテキストに沿って進めることが可能ですが、英会話は教師のスキルによって差が出やすいです。
生成AIを導入すると、生徒の回答や質問に合わせた対応をしてくれるため全生徒に質の高い英会話練習を提供することが可能です。

実際に、学習塾と英会話塾を別々で通っている方も多く、学校や学習塾では受験に向けた学習を重視し英会話などは重視されていない傾向にあります。
ですが、英会話はリスニング、記述、文法全てを理解する上で最も重要ですし汎用性も高いです。
生成AIを活用し英会話の学習を可能にすることで他の学習塾や教育サービスと比較すると圧倒的な強みにもなります。

記述問題の自動採点

生成AIを活用すればAIによる自動採点が可能になります。これは、記述問題の採点の公平性・確実性の確保につながります。

解答を写真に撮って送信するだけでAIが自動で採点、フィードバックをもらうことも可能です。

また、近年では記述問題の採点にAIを導入している試験もあるため、実際の試験対策にもなります。
記述問題が自動採点できるようになることで自宅で記述問題の練習ができる、テストの採点時間の短縮など生徒と教師両方にメリットがあります。

教師の授業準備や教材作成のサポート

生成AIは、教師の授業準備や教材作成にも活用できます。

例えば、「世界史の〇〇〜〇〇の範囲での授業の構成を考えて」や「数学の〇〇の単元の分かりやすい教え方を考えて」などと指示を出すと生成AIが構成や教え方を解答してくれます。
生成AIの回答を基に準備や教材の作成を行うことで、一から準備を行うよりも大幅に準備時間を短縮する事ができます。

保護者などのメール対応自動化

教師の業務の中で負担の一つとなっている「保護者などに対してのメール対応」を自動化できます

内容の異なるメールに返信を考えるというのも負担になりますが、言葉の受け取り方次第で問題になってしまう可能性もあるので慎重に検討する必要があります。
特に受験生の担当であると保護者からの対応に追われることも多々あり、多くの教師の負担となっています。

その際に生成AIを活用すれば、それぞれのメール内容に合う返信を考えてくれます。
メール対応に割く時間が大幅に短縮されますし、教師の精神的ストレスや負担も軽減されるでしょう。

教育業界の生成AI活用事例を紹介

前のセクションでは生成AIの活用方法を紹介しました。
ここでは実際に教育現場に生成AIを導入している事例をいくつか紹介します。

①学研:AIを活用した問題演習ができるデジタル教材

教育業界生成AI_kimista

株式会社学研ホールディングスは、AIアダプティブ機能搭載の学習システム「キミノスタディ(キミスタ)」の提供を開始しました。

キミスタは、AIを用いて効果的な問題演習を可能にするシステムです。まず理解度テストで数問解き、理解度をチェックします。その後、AIが理解度を分析し、理解度を上げるための最適な問題を出題します。

問題演習に加えて、学習機能サポート機能も利用可能です。偏差値を向上させることはもちろん、モチベーションアップを目的とした利用など幅広い目的で使われています。

②ベネッセ:個別学習サポート、自由研究のテーマ決めのアドバイス

ベネッセコーポレーションは、「進研ゼミ小学講座・中学講座」で生成AIを活用した学習支援サービス「チャレンジAI学習コーチ」を導入した。
「チャレンジAI学習コーチ」は学習に関する分からない部分をAIキャラクターに質問することでいつでもどこでも疑問を解決してくれるサービスです。
このサービスでは進研ゼミの学習だけでなく学校の宿題に取り組む際にも活用できます。

以下は、チャレンジAI学習コーチでのAIと生徒のやりとりです。



その他にも夏休み限定で「自由研究お助けAI」を導入しました。
「自由研究お助けAI」では自由研究のテーマが決まっていない生徒に対して生成AIが生徒に合う自由研究のテーマを一緒に探してくれるサービスです。

両方のサービスに共通してAIが問題や悩みの解答を教えてあげるのではなく、自身で解答にたどり着けるように対話を通して視点を広げてあげます。
分からないと思った部分をすぐに解決する事ができるので子供の学習環境に大きな変化を与えています。

③横須賀市:自動採点サービスの導入

教育業界生成AI_yokosuka

横須賀市は、2025年から自動採点ソフト「百問繚乱」の導入を開始しました。模範解答を取り込み、生徒の答案をスキャンすることで自動で採点してくれます。また採点後、設問別集計や観点別集計など、回答内容を自動集計&グラフ化まで可能です。

このシステム導入により、年間1人当たり40時間程度の効率化が可能になったというデータもあります。
現状は、3/19市でのみ導入されていますが、今後拡大していくことが予想されます。

④Z会:英語のスピーキング練習

教育業界生成AI_Z

通信教育「Z会」を運営する増進会ホールディングスは、Azure OpenAI Serviceを活用した英語のスピーキングを学習する「AI Speaking」を導入しました。

対象者は中学生で、日常生活のさまざまな場面をテーマとし、そのテーマに沿ってAIと会話を行うことが可能です。AIの返答は中学生レベルになるように設定されているため英語力の差を感じる心配はありません。

また、会話相手がAIであれば人前で英語を話すことに対する恥ずかしさもないでしょう。
英会話は教師のスキルによって差が生まれやすいですがAIを活用することで場所や環境を問わず質の高い教育を提供できます。

⑤東北大学:国立大学法人で初めての生成AIサービスの内製化

教育業界生成AI_tohoku

東北大学では、国立大学法人で初めて生成AIサービスの内製化をしました。具体的には、マルチモーダルに対応した議事録作成アプリRAGを活用したチャットボットなどの機能を備えています。

本サービスは、職員・学生から受験生まで幅広く利用可能です。職員は、業務マニュアルや学内の情報にアクセスを可能とし、全学での連携をよりスムーズにする効果が得られます。学生は学内での手続きへの疑問への回答、受験生は受験するにあたって知りたい情報への回答をしてくれます。

その他にも、翻訳、画像生成、文字起こし&要約など様々な機能が利用可能です。これらにより、東北大学職員の業務効率の圧倒的な向上に成功しています。

⑥埼玉県戸田市:小・中学校でのAI PCとローカルLLMの活用(2025.11~)

教育業界生成AI_toda

埼玉県戸田市では、通信を使わず端末内でデータ処理が完結する「AI PC」を導入し、生徒のプライバシーを保護しながら安全に生成AIを活用しています。

特に小学校1年生などの低学年では、キーボード入力の代わりに「音声対話」でAIとやり取りする実践を展開しています。文字入力が難しい子供でも、AIをアイデア出しのツールとして使い、自発的に学べる環境を整備し始めています。

中学校ではインテルと連携した「STEAM Lab」の構築により、最新CPU搭載PCや3Dプリンターを活用できる環境を整備しています。従来の端末では困難だった高度な3Dモデリングやプログラミングといった技術を、教育効果を最大化するツールとして利用する動きが拡大しています。

生成AI導入のメリットとは?

教育現場に生成AIを導入することは教師にも生徒にもメリットが多いです。
ここでは生成Aを導入することのメリットを解説します。

教師の業務負担軽減

先述した通り、生成AIは授業準備や教材作成、自動採点など多くの教師の業務をサポートします。

生成AIのサポートにより教師は生徒との対話や指導により多くの時間を割けるため、教育の質を向上させる事が可能です。
生成AIを活用したメール対応の自動化により、保護者からのクレームなどの対応に追われることも少なくなるでしょう。

近年問題視されている教育現場の業務過多による教師の精神的ストレスも軽減されることが期待できます。

コストの削減

生成AIの活用により、自動採点、資料作成、24時間質問回答などが可能になり、全体的に運営コストを削減できます。
特に、業務の効率化による職員の人件費削減が見込めます。

全ての業務をAIが代替することはできませんが、AIの活用で質の高い教育を生徒に届ける事ができるため求められる教員のレベルも上がるでしょう。
コストを削減しながらもレベルの高い教育を提供できるのは大きなメリットです。

効率化によって生まれた時間や資金を他の重要な業務に再分配することもできるため、生成AIの活用は有益な投資と言えます。

生徒の創造性や思考力の促進

生成AIは生徒の創造性や思考力を促すツールとしても機能します。
生成AIに疑問点に関する質問をすると、あらゆる視点や解釈の回答をします。
新たな視点での回答を学ぶことができることで創造力を伸ばすことが可能です。

生成AIは質問に対する回答を用意するだけでなく実際に生徒と討論を行うことも可能です。
さらに、設定とお題を提示すると生成AIだけで討論を進めることもできるので、生徒はあらゆる視点から学び、自らの思考力を鍛えることが期待されます。

場所を問わず質の高い教育を提供

生成AIによるリアルタイムで質問に答える学習プラットフォームを導入することで、地域や経済的に質の高い教育を受けることが難しい生徒にも質の高い教育を提供することが可能になります。

同じ学習塾でも地域によって、教師のスキルに差があることから同じ質の教育を提供することは困難と言われていました。

生成AIは教育においてリモート学習や自己学習において活躍が見込めます。そのため、どこにいても質の高い教育を受けられる環境が整うのです。

生成AI活用における課題とリスク

生成AIを教育現場に導入することは利点が多いです。
その一方で、いくつかの課題や懸念点もあります。
生成AIを導入する際には導入前に以下の課題を理解し対処法を検討しましょう。

偏った情報や誤情報のリスク

生成AIは、インターネット上の膨大なデータを学習して動作しますが、その全ての情報が常に正確であるわけではありません。
AIが生成するコンテンツや回答に誤情報や偏った情報が含まれる可能性があります。
生徒が誤った知識を正しいと思い込んで学んでしまう危険性があるのです。

生成AIは万能ですが全てを正しいと思わず、実際に自分でもその情報が正しいのかを調べる事が重要です。
生成AIを使用する際には、便利さに依存せず学習のサポートとして使用しましょう。

情報漏洩のリスク

生成AIを活用する際に注意したいのが情報漏洩のリスクです。
生成AIはクラウド上で運用されるため、学習に使われたデータやユーザーが入力した情報が漏れる可能性があります。

不正アクセスなどを防ぐために、アクセス権を徹底管理することやデータ保護を強化する必要があります。
生成AIを利用する際には、個人情報を入力しないよう生徒や教師に情報漏洩のリスクについて説明することも重要です。

教育現場でも生成AIを活用してみましょう

今回の記事では、生成AIの活用方法や事例、メリット、課題までを解説しました。

生成AIはまだまだ未知な存在なので導入に対して不安に感じる方も多いと思います。
ですが、導入することで生徒だけでなく教師にも大きなメリットがあります。
課題もありますが、導入前にしっかりと対策をすることで防ぐことも可能です。

実際に生成AIを導入している教育サービスも多々あり、今後も増えていくと予想されます。
本記事の事例や活用方法を参考にして導入イメージを検討してみてください。

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株式会社C And 代表取締役 / 企業の業務課題をきちんと解決できるChatGPT・生成AI活用の研修/コンサルティングのプロ。
また、前職の株式会社MIXIで培ったブランドプロモーションスキルを活かし、話題化戦略を意識した制作した生成AI活用のアニメCMは、Xにて680万インプレッションを記録。幅広い形で生成AIを活用して、企業の課題解決に貢献。